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ひまわりを作ることが肥料になるのか

ひまわり,イメージ

「ひまわりを作ると肥料になるの?」そんな疑問を持つ方も多いでしょう。

結論から言えば、ひまわりそのものが肥料になるわけではありませんが、栽培したひまわりを土にすき込むことで“緑肥(グリーンマニュア)”として利用することが可能です。

これは、土壌を自然に豊かにする環境に優しい農法としても注目されています。

目次

グリーンマニュア(緑肥)とは?

グリーンマニュア(緑肥)とは、植物を育ててから刈り取り、それを土にすき込んで分解させることで、土壌に有機物と栄養を還元する農法のことです。

化学肥料に頼らず、自然の力で土を元気にする手法として、家庭菜園から有機農業まで幅広く取り入れられています。

ひまわりが緑肥として優れている理由

有機物の供給量が多い

ひまわりは草丈が高く、茎や葉の量(バイオマス)が非常に多い植物です。

そのため、土にすき込むことで大量の有機物を供給し、土壌構造を改善します。

団粒構造ができやすくなり、通気性・保水性が向上します。

栄養素を再び土に戻す

ひまわりは生育中に、土中の窒素・リン・カリウムなどの栄養素を吸収して体内に蓄えます。

それをすき込んで分解させることで、吸収した養分が再び土に戻り、次に植える作物の栄養源となります。

つまり、ひまわりは「養分をいったん蓄えて、再び自然に還すリサイクル植物」といえます。

雑草を抑制する

ひまわりは成長が早く、葉が大きく地表を覆うため、雑草の発芽を日陰で抑える効果があります。

除草の手間を減らせる点でも、家庭菜園にとってメリットが大きいです。

一部の病害虫を抑制する可能性

ひまわりを栽培すると、特定の線虫の密度が減少するという報告もあります。

ただし、これは条件や環境によって効果が異なるため、「線虫対策として必ず効く」とは言い切れません。

あくまで補助的な効果として考えるとよいでしょう。

ひまわりを肥料として利用する手順

栽培

春〜夏にかけて、通常通りひまわりを栽培します。

痩せた土地や改良が必要な畑でもよく育ちます。

成長が早く、手間も少ないため緑肥に向いています。

刈り取りとすき込み

花が咲き、茎が太くなってきた頃(種子ができる前)が最適なタイミングです。

ひまわりを刈り取り、細かく刻んでから土にすき込みましょう。

この段階で有機物が土に混ざり、分解が始まります。

分解期間を待つ

すき込んだ直後は、微生物が有機物を分解するために活発に活動します。

このとき、微生物が窒素を一時的に吸収するため、分解初期には「窒素飢餓」状態になりがちです。

そのため、すき込んだ後は2〜3週間〜数ヶ月ほど分解期間を置いてから次の作物を植えるのが理想です。

後作を植える

分解が進み、ひまわりの残渣が土になじんだ後の畑は、有機物が増えて柔らかく、野菜や穀物の生育に最適な状態になります。

特に葉物野菜や根菜類の成長が良くなる傾向があります。

注意点とポイント

種を作らせない

すき込みが遅れて種が成熟すると、後に雑草のようにひまわりが勝手に発芽してしまうことがあります。

種ができる前に刈り取りましょう。

分解中の追肥

分解期間中に別の作物を植える場合、補助的に窒素肥料を少量加えると、栄養バランスを保ちやすくなります。

アレロパシーへの注意

ひまわりにはアレロパシー(他感作用)と呼ばれる性質があり、すき込み直後に発芽させる作物によっては、生育が遅れる場合もあります。

小さな種をまくときは、十分に分解が進んでから播種すると安心です。

まとめ:ひまわりは「育てて戻す」ことで肥料になる

ひまわりを育てるだけでは肥料にはなりませんが、栽培 → 刈り取り → すき込み → 分解という流れを踏むことで、ひまわりは立派な緑肥(グリーンマニュア)として機能します。

  • 有機物を豊富に供給し、土を柔らかくする
  • 雑草を抑制し、病害虫のリスクも軽減する
  • 持続可能で自然に優しい土づくりができる

これらの特徴から、ひまわりは「見て楽しむ花」だけでなく、次の作物を支える天然の肥料資源としても非常に優れた植物といえます。

以上、ひまわりを作ることが肥料になるのかについてでした。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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