南国の象徴として知られるハイビスカス。英語ではどのように呼ばれ、どんな種類の名前があるのでしょうか。
本稿では、代表的な英名から学術的な背景、語源までを体系的に解説します。
基本の英語名:Hibiscus(ハイビスカス)
最も一般的で広く使われる名称が Hibiscus(ハイビスカス) です。
日本語名はこの英語の音をそのままカタカナ化したもので、園芸・ハーブティー・美容など多くの分野で共通して使われています。
- 英語表記:Hibiscus
- 発音:/haɪˈbɪskəs/(ハイ・ビスカス)
植物学では「Hibiscus 属」を指す属名でもあり、観賞用ハイビスカスもここに含まれます。
文脈で変わるハイビスカスの英語名
ハイビスカスは種類が豊富で、品種や用途によって別の呼び名が使われることがあります。
英語圏の資料や園芸分野で見られる代表的な呼称をまとめました。
Chinese hibiscus / China rose
観賞用として最も広く栽培される Hibiscus rosa-sinensis の英語名です。
- Chinese hibiscus
- China rose(特に一般的)
- (補足)Chinese rose と表記されることもある
鮮やかな赤、黄色、オレンジなど多彩な花色の園芸品種が含まれ、ハワイなどの観光地で見られる花もこの種です。
Rose mallow(ローズマロウ)
アメリカ原産の耐寒性ハイビスカス、特に Hibiscus moscheutos の一般名。
- Rose mallow
- Swamp rose-mallow
- Hardy hibiscus(園芸用語として人気)
巨大輪の花が咲くことで知られ、北米を中心にガーデナーの間で広く親しまれています。
Shoeblack plant(シューブラックプラント)
ややマイナーながら、歴史的な背景を持つ英名です。
かつて東南アジアで、ハイビスカスの花の汁を靴磨きに使った習慣があり、それに由来して “shoeblack plant” と呼ばれました。
伝統文化や民間利用の文脈で語られることが多い呼称です。
Hibiscus tea(ハイビスカスティー)
飲み物として指す場合は Hibiscus tea が完全に定着しています。
ハーブティーブランド、レストラン、健康食のレシピなど、英語圏で最も一般的な表現です。
語源:ギリシャ語 “hibiskos” に由来
“Hibiscus” の語源は、古代ギリシャ語の hibiskos に遡ります。
この語は、アオイ科の植物(マロウやタチアオイ類)の名前として使われていたもので、後にラテン語化され、植物学の正式な属名になりました。
つまり現在の “Hibiscus” は、アオイ科植物全体の伝統的名称がベースになっています。
混同しやすい英語名に注意
ハイビスカスと近縁で、姿が似ているため誤解されがちな植物もいくつか存在します。
- Hollyhock(ホリホック/タチアオイ)
→ 同じアオイ科だが Alcea 属で別種 - Mallow(マロウ)
→ アオイ科の広い仲間の総称。ハイビスカスとは別属
園芸やハーブ関連の記事を書く際は、この区別を意識すると専門性が高まります。
例文で理解するハイビスカスの英語表現
植物として
I planted a beautiful hibiscus in my garden.
(庭に美しいハイビスカスを植えた。)
観賞用種を説明
This variety is known as Chinese hibiscus.
(この品種はチャイニーズ・ハイビスカスとして知られています。)
飲み物
Would you like some hibiscus tea?
(ハイビスカスティーはいかがですか?)
まとめ
| 用途 | 英語名 | 補足 |
|---|---|---|
| 総称 | Hibiscus | もっとも一般的 |
| 観賞用(H. rosa-sinensis) | Chinese hibiscus / China rose | Chinese rose も使用される |
| 北米原産の耐寒性種 | Rose mallow / Swamp rose-mallow / Hardy hibiscus | 巨大輪の品種が人気 |
| 飲料 | Hibiscus tea | ハーブティーとして定着 |
| 歴史的呼称 | Shoeblack plant | 花汁を靴磨きに使用した文化が由来 |
以上、ハイビスカスは英語でなんというのかについてでした。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
