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ハイビスカスは合弁花なのか

ハイビスカス,イメージ

「ハイビスカスの花びらはくっついているように見えるから合弁花では?」と思う方は多いですが、結論から言うと、ハイビスカスは“離弁花”に分類されます。

ただし、見た目や構造の特殊性から誤解されやすい植物でもあります。

ここでは、なぜ離弁花なのか、どの部分が誤解のもとになるのかをわかりやすく解説します。

目次

ハイビスカスは離弁花(りべんか)

離弁花とは?

  • 花弁(花びら)が1枚ずつ独立しており、互いにくっついていない花のこと。
  • 例:サクラ、バラ、ウメ など。

ハイビスカスの場合

  • 花びらは5枚に分かれており、花弁同士は合着していません
  • つまり、花冠は本来「離弁花」構造です。
  • ただし、花弁の根元が雄しべの筒(雄蕊筒/ユウズイツツ)に「くっついている(付着している)」ため、全体としてラッパ状・漏斗状に見えます。

花びら同士がくっついているわけではないので、ハイビスカスを合弁花とするのは誤りです。

なぜ「合弁花」と勘違いされるの?

見た目の特徴誤解の理由
花がラッパ状・筒状に見える花弁が fused(合弁)しているように感じる
花弁の基部がくっついている実際は“花弁同士”ではなく、“雄蕊筒に付着”しているだけ
中央から飛び出した雄しべ・雌しべ花冠と一体に見えるため、全体が融合していると誤解されがち

ハイビスカスの花の構造(正確な植物学的説明)

部位特徴
花冠(花びら)5枚の離弁花弁(polypetalous)。基部のみ雄蕊筒に付着。
雄しべ多数の雄しべが合着して筒状(雄蕊筒=staminal column)を形成=単体雄蕊(monadelphous)
雌しべ雄蕊筒の内部を貫き、先端で5つに分かれ、球状の柱頭がつく。
萼(がく)5枚が合着した合萼(ごうがく)。さらにアオイ科特有の副萼(epicalyx)を伴う。

合弁花と離弁花の比較

比較項目合弁花離弁花(ハイビスカス)
花びら根元でくっついている1枚ずつ独立・ただし基部で雄蕊筒に付着
花の形漏斗状・筒状が多い開放的に見えるが、中央で構造的にまとまる
アサガオ、ツツジハイビスカス、サクラ、バラ

分類学的な補足(専門的視点)

昔の植物分類(エングラー体系など)では、双子葉植物を「合弁花類」「離弁花類」に分けていました。

しかし、現在主流のAPG分類体系(分子系統学)では、この区分は使われていません。

そのため、ハイビスカスを扱うときは「アオイ科 Hibiscus 属」として分類するのが正確です。

まとめ

  • ハイビスカスは離弁花(花弁は5枚が独立)
  • ただし花弁の基部が雄蕊筒に付着するため、合弁花のように見える
  • 雄しべは多数が合体して筒状になる(単体雄蕊・雄蕊筒)
  • 萼も合着して合萼+副萼という構造を持つ
  • 「合弁花」と説明されるのは誤解または簡略化された表現

以上、ハイビスカスは合弁花なのかについてでした。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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