マリーゴールドは丈夫で育てやすい花ですが、葉に黒い斑点が現れることがあります。
これは病気や環境のストレス、害虫など、さまざまな要因が関係している場合があります。
本記事では、黒い斑点ができる主な原因とその対策をわかりやすく解説します。
病気によるもの
黒斑病
原因
黒斑病は、Alternaria 属のカビ(糸状菌)によって引き起こされる真菌性の病気です。
湿度が高く、風通しが悪い環境で発生しやすく、特に雨の多い季節に広がります。
症状
葉に小さな黒褐色の斑点が現れ、徐々に拡大していきます。斑点の周囲は黄色くなり、やがて葉が枯れて落ちます。ひどい場合は株全体が弱ることもあります。
対策
- 感染葉の除去:病気の葉はすぐに取り除き、ビニール袋に入れて処分します。
- 風通しの確保:株間を広げて湿気を逃がし、葉が乾きやすい環境を整えます。
- 水やりの工夫:朝に株元へ水を与え、葉を濡らさないようにしましょう。
- 殺菌剤の使用:発生初期に、マンゼブや塩基性塩化銅などの家庭園芸用殺菌剤を使用すると効果的です。
細菌性斑点病(
原因
高温多湿の時期に発生しやすく、雨や水はねによって細菌が葉に付着して感染します。
症状
黒〜暗褐色の小さな斑点が葉に広がり、周囲が黄色く変色します。斑点が融合して葉全体が枯れることもあります。
対策
- 泥はね防止:マルチングや下葉の剪定で、土からの飛沫を防ぎます。
- 銅剤の使用:細菌性病害に効果のある銅成分入り殺菌剤を、ラベルの指示に従って使用します。
菌核病
原因
土壌中に潜む菌(Sclerotinia sclerotiorum)が、湿度が高く風通しの悪い環境で繁殖します。
症状
地際や茎の部分が柔らかく腐敗し、白い綿毛のようなカビが生えます。時間が経つと黒い粒状の菌核ができます。葉の黒い斑点は二次的な影響であり、主症状ではありません。
対策
- 排水の改善:水はけの悪い土を避け、腐葉土や軽石で通気を良くします。
- 感染株の処分:被害を受けた株や周囲の土を取り除き、廃棄します。
- 輪作を実施:2〜3年は同じ場所にキク科植物を植えないようにします。
害虫やすす病によるもの
原因
アブラムシやコナジラミなどの害虫が吸汁する際に排出する甘い分泌物(ハニーデュー)に、カビが繁殖して「すす病」が発生します。
症状
葉の表面が黒い煤(すす)のように汚れ、光沢を失います。拭くと黒ずみが取れるのが特徴です。
対策
- 害虫防除:黄色粘着トラップや園芸用殺虫剤を使い、アブラムシなどを駆除します。
- 葉の洗浄:やわらかい布で優しく拭き取るか、霧吹きで洗い流します。
- 通風の確保:過密植えを避け、湿気がこもらないようにします。
栄養不足や生理障害
原因
栄養バランスの偏りや過湿、急な環境変化によって、葉が部分的に枯れて黒くなることがあります。
症状
- カリウム不足:葉の縁から褐変し、やがて黒く枯れ込みます。
- 鉄欠乏:若い葉が黄化しますが、黒い斑点が出るのはまれです。
- 過湿:葉裏に小さなコルク状の膨らみ(浮腫)ができ、黒く変色します。
対策
- バランスの良い肥料:緩効性肥料を使い、過剰な窒素を避けます。
- 水はけの改善:鉢底石や赤玉土を加え、余分な水分を逃がします。
- 適度な乾湿管理:土の表面が乾いてから水を与えましょう。
環境ストレス
原因
過湿、日照不足、急激な気温変化、風通しの悪さなどが、植物の免疫力を低下させ、病気を誘発します。
対策
- 日照の確保:日当たりの良い場所に置く。
- 株間を広げる:密植を避け、風通しを良くする。
- 朝の水やり:夜間の湿度上昇を避け、病気の発生を抑えます。
まとめ
マリーゴールドの葉に黒い斑点が出る原因は、主に以下の4つです。
- 病気(黒斑病・細菌性斑点病など)
- 害虫やすす病
- 栄養や水分のバランスの乱れ
- 環境ストレス
最も大切なのは、早期発見と早期対応です。
日々の観察で異変を見逃さず、原因に応じた対策をとることで、マリーゴールドを美しく健康に育てることができます。
以上、マリーゴールドの葉に黒い斑点ができる理由についてでした。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
