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鹿は薔薇を食べるのか

鹿,イメージ

美しい薔薇を丹精込めて育てているのに、ある朝見ると新芽がなくなっている。

その犯人は、もしかすると鹿かもしれません。

鹿は多くの庭園植物を食害する草食動物で、薔薇もその例外ではありません。

特に春や冬の時期は、薔薇の新芽や枝が狙われやすく、庭園の景観を大きく損なうこともあります。

この記事では、鹿が薔薇を食べる理由・被害の特徴・実践的な防止方法を詳しく解説します。

目次

鹿が薔薇を食べる理由

柔らかく栄養価の高い新芽を好む

鹿は草食性で、特に柔らかく栄養価の高い新梢や蕾を好みます。

春から初夏にかけて新芽が伸びる時期は、薔薇が最も狙われやすくなります。

香りの強さではなく、食べやすさと季節要因が主な理由です。

冬季の食糧不足

冬になると山野の植物が減少するため、鹿は庭木や薔薇の枝・樹皮まで食べることがあります。

特に雪深い地域では、積雪でフェンスが低くなり、鹿が容易に侵入してしまうことも。

餌圧の影響

地域によって鹿の個体数(餌圧)は異なります。

餌が豊富な地域では薔薇への被害が少ない一方、餌が乏しい地域ではほぼすべての植物が対象になります。

鹿による薔薇の被害と特徴

新芽・蕾の食害

鹿は生長点となる新芽を中心に食べるため、繰り返されると花付きが悪くなります。

葉が減少し、光合成が妨げられることで、株の体力も低下します。

枝・幹の損傷

冬や初春には、枝や樹皮をかじる被害も発生します。

また、秋〜初冬には雄鹿が角をこすりつける「角擦り」によって幹が裂かれることもあります。

これは食害ではなくマーキング行動ですが、深刻なダメージを残します。

被害痕の見分け方

鹿は上下の歯列が合わないため、噛み跡が斜めに千切れたような形状になります。

被害の高さが40〜150cm程度であれば、鹿による可能性が高いでしょう。

薔薇を鹿から守るための対策

フェンス設置(最も確実な方法)

物理的に鹿の侵入を防ぐのが最も効果的です。

フェンスは高さ2m以上が最低ライン。

鹿の多い地域では2.4〜2.7mの高フェンスや、外傾タイプ(二重フェンス構造)が有効です。

地面との隙間が20cm以上あると潜り込まれるため、しっかり固定しましょう。

個別ネット・トランクガード

1株ごとにメッシュネットで覆う方法もおすすめです。

また、幹を守るためにトランクガード(幹巻き)を装着しておくと、角擦りによる被害を防げます。

忌避剤の使用

市販の鹿忌避剤(卵タンパク・ニンニク・カプサイシン・チラムなど)は一定の効果があります。

ポイントは以下の通りです。

  • 有効成分をローテーションして使う(慣れを防ぐ)
  • 降雨後は再散布
  • 新芽が出る前に予防的に散布
    ※製品によっては食用作物に使用できない場合があるため、ラベルを必ず確認してください。

動体感知スプリンクラー

動きを感知して水を噴射するタイプの装置は、鹿に慣れにくく、夜間の侵入抑止に効果的です。

音や光だけの装置は、慣れによって効果が薄れやすいため、補助的に使用しましょう。

防鹿植物の併用

ラベンダー、ローズマリー、セージなど、鹿があまり好まない香草を薔薇の周囲に植えることで被害を軽減できます。

ただし、餌が不足すればどんな植物も食べられる可能性があるため、過信は禁物です。

監視と早期発見

足跡や糞、食痕をこまめに確認し、侵入経路を把握することが重要です。

防犯カメラや赤外線カメラを設置すると、被害の原因を正確に特定できます。

被害後のリカバリー方法

被害を受けた場合は、健全な芽の上で剪定し、緩効性肥料とマルチングで株の回復を促します。

幹に傷がある場合は、殺菌剤や保護剤を塗布して二次感染を防ぎましょう。

早期の手当てで、翌シーズンに再び美しい花を咲かせることが可能です。

品種による違い

薔薇の中でも、ロサ・ルゴサ系(ハマナス系)などは比較的耐性があるとされますが、完全に被害を免れるわけではありません。

鹿の個体数や周囲の環境によって、食べられるかどうかは変化します。

そのため、どの品種でも防鹿対策は必須です。

まとめ

鹿は薔薇を食べる可能性が高い動物であり、特に新芽や蕾が集中して狙われます。

香りではなく、柔らかさと栄養価が理由で、季節や餌の状況によって被害が変化します。

被害を防ぐには、物理的なフェンス・個別ネット・忌避剤の併用が最も効果的です。

庭の薔薇を長く健康に保つためには、季節ごとの管理と継続的な監視が欠かせません。

少しの工夫で、美しい薔薇を鹿の被害から守ることができます。

以上、鹿は薔薇を食べるのかについてでした。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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