ハイビスカスは多くの品種において、夜になると花がしぼむ(閉じる)という特性があります。
これは自然な生理現象であり、植物の生態や進化的な戦略の一部です。
以下に、その理由と仕組みを詳しく解説します。
目次
ハイビスカスの花がしぼむ理由
一日花(一日咲き)という性質
ハイビスカスの多くの品種(特にアオイ科の熱帯種)は、「一日花(いちにちばな)」という特性を持ちます。
これは、朝に花が開き、夕方〜夜にはしぼんでしまう性質のことです。
- 咲く時間帯:通常、朝9時〜10時頃に満開になります。
- しぼむ時間帯:午後〜夕方にはしぼみ始め、夜には完全に閉じてしまいます。
なぜ一日でしぼむのか?
- 受粉の効率を高めるため
- 花を咲かせるにはエネルギーが必要なので、長時間咲かせるのは非効率
- 花が長く咲くと病害虫を引き寄せやすくなるため、短時間で咲いてしぼむのが理想的
夜にしぼむのはどういう仕組み?
光と温度の変化による生理的反応
ハイビスカスの花は、日光の有無や気温の低下によって反応します。
- 光が当たらなくなる(夜になる)と、花の細胞の膨圧(細胞が水で膨らむ力)が低下し、花びらが閉じる方向に動きます。
- 温度が下がると、植物の代謝活動が鈍くなり、花を開かせ続けるためのエネルギー供給が減少します。
つまり、夜=光がない&涼しい=閉じるモードになるということです。
しぼんだ花はどうなるの?
- 多くの場合、翌朝に再び開くことはありません。
- そのまましおれて数日中に落ちます(自然にポロッと取れる)。
ただし、ハワイアンハイビスカス(Hibiscus rosa-sinensis)など一部の改良種では、1〜2日咲き続けるものもあります。
しぼむ現象の観察ポイント(育てている方向け)
時刻 | 花の状態 | 観察ポイント |
---|---|---|
朝(7時〜9時) | つぼみ or 開き始め | 日光を浴びると徐々に花開く |
午前中〜昼 | 満開 | 花粉が出て、蜜も豊富 |
午後(14時〜16時) | ややしぼみ始め | 花の縁がカールするように閉じる |
夕方〜夜 | しぼむ | 花が完全に閉じる/脱落 |
しぼんでも心配いらない
花がしぼんでも、「枯れた」と考える必要はありません。
これは自然なサイクルであり、次々と新しい花を咲かせる準備が進んでいます。
- 日々咲き続けるために、つぼみの数が多いのがハイビスカスの特徴です。
- 肥料・水・日当たりを適切に管理していれば、夏の間はほぼ毎日新しい花が見られます。
夜に花が閉じない場合の注意点
まれに、夜になっても花が閉じない、あるいは咲いたままの状態が続くことがあります。
その場合、以下のような要因を疑ってみてください。
- 品種による特性:一部の園芸種では、花期が長いものもある
- 室内栽培で照明が強い場合:植物が「夜だ」と認識していない
- ストレス(肥料不足・根詰まりなど):生理的異常が起きている可能性
まとめ

項目 | 内容 |
---|---|
ハイビスカスの花は夜にしぼむか? | 多くの品種ではしぼみます(一日花) |
しぼむ理由 | 光や温度の変化、エネルギー節約、受粉効率 |
しぼんだ花はどうなるか | 翌朝再び開かず、数日で落花 |
品種差 | 改良品種では1〜2日咲くタイプも存在 |
育て方のコツ | 毎日咲くので、日当たりと水管理をしっかり |
以上、ハイビスカスは夜になるとしぼむのかについてでした。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。