ハイビスカスとブーゲンビリアは、どちらも南国の雰囲気を漂わせる華やかな植物で、日本でも庭植えや鉢植えで人気があります。
しかし、見た目が似ていることから混同されがちなこともあり、それぞれの特徴や育て方、開花習性などを理解することで、より美しく育てることができます。
以下に、外見、分類、性質、育て方、花の特徴、利用シーンなどを中心に、両者の違いを詳しく解説します。
目次
ハイビスカス(Hibiscus)とは
基本情報
- 科名属名:アオイ科フヨウ属
- 原産地:熱帯アジア(主に中国南部、ハワイなど)
- 常緑低木または亜低木
- 学名:Hibiscus rosa-sinensis
- 英名:Hibiscus, China rose
特徴
- 花:直径10〜15cmほどの大輪で、1日花が多く、色は赤・ピンク・オレンジ・黄色など多彩。
- 葉:光沢のある緑色。やや厚みがあり、縁に鋸歯(ギザギザ)がある。
- 開花期:主に6月〜10月(温暖地の場合)
育て方のポイント
- 日光:日当たりを非常に好む。直射日光の元でよく育つ。
- 水やり:乾燥にやや弱いため、夏は毎日水を与える。
- 耐寒性:やや弱く、霜にあたると枯れる。気温が10℃を下回ると室内に移動が必要。
ブーゲンビリア(Bougainvillea)とは
基本情報
- 科名属名:オシロイバナ科ブーゲンビリア属
- 原産地:南アメリカ(ブラジル、ペルーなど)
- つる性低木または半つる植物
- 学名:Bougainvillea spp.
- 英名:Bougainvillea, Paper flower
特徴
- 花:実際の花は小さく白い部分で、その周囲を囲む「苞(ほう)」と呼ばれる色づいた部分(ピンク・紫・オレンジなど)が花のように見える。
- 葉:薄くて柔らかく、卵形で先がとがる。種類によっては斑入りの葉もある。
- 開花期:5月〜11月ごろ。気温が高く乾燥していると開花しやすい。
育て方のポイント
- 日光:非常に日照を好み、直射日光下でないと花が咲かない。
- 水やり:乾燥気味を好む。過湿はNG。乾燥ストレスがかかったほうが花つきが良い。
- 耐寒性:寒さに弱く、気温が5℃以下になると枯死することも。鉢植えで冬は室内管理が安全。
ハイビスカスとブーゲンビリアの違いまとめ
比較項目 | ハイビスカス | ブーゲンビリア |
---|---|---|
分類 | アオイ科フヨウ属 | オシロイバナ科ブーゲンビリア属 |
花の形状 | 花弁が5枚で大きな一日花 | 小さな白花+色づいた苞が花のように見える |
葉の形状 | 厚めで光沢のあるギザギザ葉 | 薄くて柔らかい、先のとがった葉 |
つる性の有無 | 低木(自立する) | つる性(誘引が必要) |
開花時期 | 夏中心(6〜10月) | 長期間(5〜11月) |
水の好み | 湿り気を好む | 乾燥気味を好む |
耐寒性 | 10℃以下で室内管理が必要 | 5℃以下で室内管理が必要 |
育てやすさ | 毎日水やりと日照が必要 | 水を控えめにして乾燥管理 |
剪定の必要性 | 比較的不要 | 剪定・誘引が必要 |
利用シーンと印象の違い
- ハイビスカスは、南国リゾート感のある花として、玄関先やベランダ、リゾート施設のシンボル的存在。鮮やかでやや重厚感があり、「夏」「情熱」「陽気」なイメージを演出します。
- ブーゲンビリアは、アーチ状のパーゴラや塀、フェンスに這わせて使うことで、軽やかで華やかな印象を与えます。「南欧風」「エレガント」「ナチュラルガーデン」の演出に適しています。
どちらを選ぶ?あなたに向いている植物は?
ライフスタイル・目的 | 向いている植物 |
---|---|
毎日の水やりを楽しめる | ハイビスカス |
手軽にボリューム感のある花を咲かせたい | ブーゲンビリア |
ベランダでコンパクトに楽しみたい | ハイビスカス |
フェンスに這わせて南国風を演出したい | ブーゲンビリア |
花のような華やかさが長く続くものがいい | ブーゲンビリア |
まとめ
ハイビスカスとブーゲンビリアは、どちらも美しく個性的な花を咲かせる植物ですが、花の構造・育て方・好む環境・印象の違いなどが多くあります。
ハイビスカスは「目で楽しむ大輪の花」、ブーゲンビリアは「空間全体を彩る華やかさ」が魅力。
育てる環境やライフスタイルに合わせて選ぶと、長く美しい花を楽しむことができます。
以上、ハイビスカスとブーゲンビリアの違いについてでした。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。