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マリーゴールドの薬としての効果について

マリーゴールド,イメージ

マリーゴールド(Calendula officinalis、別名:カレンデュラ)は、ヨーロッパを中心に古くから薬草として親しまれてきた植物です。

日本で一般的に観賞用として知られる「マリーゴールド(Tagetes属)」とは別種であり、薬用に用いられるのはカレンデュラ(Calendula属)です。

その花びらには多くの有効成分が含まれており、皮膚の炎症を鎮めたり、傷の治りを助けるなど、自然療法やハーブ医療の現場で幅広く利用されています。

目次

抗炎症作用 ― 皮膚をやさしく鎮める

カレンデュラには抗炎症作用があり、軽い皮膚炎やかぶれ、湿疹、日焼けなどの炎症を穏やかに和らげるとされています。

欧州医薬品庁(EMA)のハーブモノグラフでも、「軽度の皮膚炎に対する伝統的使用」として承認されています。

臨床試験の中には、放射線治療による皮膚障害を防ぐ目的でカレンデュラクリームが使用され、他の外用剤よりも有効とされた報告もあります。

ただし、すべての試験で効果が明確というわけではなく、個人差がある点は理解しておくことが大切です。

傷の治癒促進 ― 自然の力で修復をサポート

カレンデュラには、小さな切り傷や擦り傷、手術後の軽度な傷などの回復を促進する働きがあります。

これは、炎症を抑えながら組織の再生を助ける作用によるもので、また抗菌性も併せ持つため、感染予防のサポートにもなります。

実際に、ヨーロッパでは「創傷用軟膏」や「スキンケアバーム」として多くの製品に配合されており、自然療法の分野で重宝されています。

抗菌・抗酸化作用 ― 清潔で健やかな肌を保つ

カレンデュラの花には、フラボノイド類やカロテノイド類といった抗酸化成分が含まれています。

これらは、細胞の酸化ストレスを抑え、肌の老化やダメージを防ぐ働きがあると考えられています。

また、試験管レベルの研究では、一部の細菌や真菌に対して抗菌作用を示す報告もあります。

ただし、これらは基礎研究レベルの結果であり、臨床的に確立された治療効果としてはまだ限定的です。

皮膚の保護・保湿 ― 優しく潤す自然のエッセンス

カレンデュラを配合したクリームやローションは、肌を保湿し、乾燥から守る効果があります。

この保湿効果は、植物油やワセリンなどの基剤成分に加え、カレンデュラの鎮静・抗炎症作用によって相乗的に働きます。

敏感肌や乾燥肌の方、赤ちゃんの肌トラブル(おむつかぶれなど)にも利用されることがありますが、使用の際は成分表示を確認し、刺激のない範囲で使うことが大切です。

使用方法と注意点

外用での使用が基本

  • カレンデュラは主に外用として使用します。
    クリーム、軟膏、ローションなどを患部に直接塗布します。
  • 軽い皮膚トラブル(擦り傷、軽度の炎症など)への短期間使用に適しています。

使用上の注意

  • キク科(Asteraceae)アレルギーのある方は、かゆみや発疹が出ることがあるため注意してください。
  • 6歳未満の幼児、または妊娠・授乳中の方が使用する場合は、医師または薬剤師に相談を。
  • 1週間以上改善しない、悪化する、膿や痛みが強くなる場合は、医療機関を受診してください。

まとめ ― カレンデュラは「自然の皮膚薬」

マリーゴールド(カレンデュラ)は、自然の恵みを生かした安全性の高い植物性の外用薬として、古くから多くの人々に愛用されてきました。

現代の臨床研究でも一定の有効性が示唆されており、軽度の皮膚炎や小さな傷のケアに役立つことが確認されています。

ただし、すべての症状に万能ではないため、深い傷や感染症、強い炎症には医師の診察が必要です。

自然の力を賢く取り入れ、正しく使うことで、カレンデュラは日常のスキンケアや家庭の常備薬として心強い存在になるでしょう。

以上、マリーゴールドの薬としての効果についてでした。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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